2018年4月19日~5月10日の3回にわたって,技術者倫理の講義が行われました。応用化学セミナーは,理工学部応用化学コースにおける社会人基礎力養成に関する科目です。技術者倫理の講師として上西勝三先生(元沖電気工業(株)半導体技術研究所所長)をお招きし,「技術者倫理を学ぶ意義」,「日本における技術者倫理の軌跡」,「国内外での最新技術者倫理」について講義を行っていただきました。
上西先生は,現代社会を支えるミリ波電子管,シリコン高周波トランジスタ,GaAs集積回路,プラズマディスプレイなどの研究開発に従事してきた経歴をお持ちです。技術が高度化し分業・分担が加速した社会においては,チームによって1つの仕事を行います。ここで重要なことは個々の倫理観です。社会を築き上げていく学生達は高い倫理観を持つ必要があり,また専門家を育成する高等教育機関である大学では,倫理教育を行うことが求められています。本講義では,武士道と人倫を紹介した後,専門家が職業倫理の必要性を見出すまでの歴史を学びました。また,近代までの具体的な事例を通して技術者倫理の必要性を講演していただき,国内外の会社の倫理規定について学びました。本講義を通して,高い倫理感を持った技術者・研究者になる学生が増えるのではないかと感じています。
上西先生による技術者倫理の講義は今年が最後となります。8年間,関東学院大学で教鞭を振っていただいたことこの場をかりて感謝申し上げます。
講師:上西勝三 (工学博士)
受賞:東京都科学技術功労賞受賞(1994年)
代表著作物:集積回路工学 日本理工学出版会