6月9日(日)に開催された体験授業フェスタにおいて、生命学系の海老原充教授による講義が行われました。
あいにくの天気にもかかわらず、参加者は39名と大勢の方に来場いただきました。講義タイトルは「ペンギンの恋愛事情を科学の力で解明する」です。
”おしどり夫婦”という言葉があるため、鳥類は一度つがいになると一生離れないと思われていますが、実際は毎年つがいを変える鳥もいて、決して”おしどり夫婦”ではありません。一方、ペンギンは死別がない限り一生つがいとして添い遂げるといわれていますが、つがいとならなかった雄が横恋慕することもあることが報告されています。個体数の少ない動物園や水族館では、こうした婚姻外のヒナが生まれると、将来、父親が同じペンギン同士がつがいになってしまう可能性が出てきます。そこで、いしかわ動物園との共同研究により、遺伝子レベルの解析を行いペンギンの親子鑑別を行った研究例を紹介しました。
幸いなことに、同動物園では、つがい以外のヒナがいなかったことが判明するとともに、今後の繁殖に貢献するデータが得られることとなりました。