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[理工学部、建築・環境学部教養学会第33回ミニ講演会](理科系学生のための公開英語講演会)What Is Nanotechnology?: The Familiar Technology and Nano-Scale Materials

         理工学部、建築・環境学部教養学会ミニ講演会(理科系学生のための英語講演会)
        What Is Nanotechnology?:The Familiar Technology and Nano-Scale Materials

                                          講師: 理工学部理工学科
                                                竹村 進


 10月21日に理工学部助手である竹村進講師による、故加藤ひとし理工学部教授との共同発表での英語講演会が開催された。同名タイトルでの講演会開催は今回で第3回目となる。(内容詳細は2020年3月発行の紀要「科学/人間」に掲載予定。)
 小さな「ナノ」の世界は我々の日常の大きな世界とは何が異なるのか。ナノの世界では光の波長よりも「もの」が小さいので、ものはレンズや肉眼では見えないものとなる。それでは、見えないものはどのような性質をもつのか。私たちは物理学の授業においてニュートンの方程式f=maを中心とする世界を学んできた。然し、近代物理学のシュレディンガー方程式が中心的な教義となる世界では、「箱に閉じ込められた猫の生死は、箱を開けるまでは(測定/観察を行うまでは)分からない」という立場がとられる。100ナノメートル以下の世界はそのようなニュートン力学の常識が成り立たない世界である。


 「シュレディンガーの猫」の話が示唆するように、近代物理学の世界は一見奇妙に思える多くの話題に満ち溢れている。例えば、最近の「量子のもつれ」(quantum entanglement)の話題では、遠く離れたところに同じものが二つ存在することがあってもおかしくないという趣旨の話が語られる。このような物理学の世界では「ものが突き抜ける」、「時間が縮む」なども可能な出来事となる。
 このように奇妙で身近ではない世界がナノの世界である。然しながら、そのような世界が応用された形で身近にも存在することもまた事実である。例えば今日では誰もが携帯電話やカーナビでGPS機能を使いこなしているが、GPSで人工衛星からの電波を拾って、正確な時間の確定のもとに場所を特定する技術は「時間の縮み」をとらえる技術に基づいている。このような技術は、アインシュタインの相対性理論に示される時間の縮みの考えが正しくなければ成立しない。「シュレディンガーの猫」の話は電子、陽子のような素粒子はどこにいるのかわからないという話の導入として導入されたが、このような奇妙な世界は、実際には我々の現実の身の回りに実現された世界でもある。
 講演後に聴講者より以下の質問があった。

Q. My question is about the safety of nanoproducts. It is expected that various products will be produced by nanotechnology. However, is there any possibility of adverse effects on the human body and on the natural environment?

Q. In recent years, environmental problems are emerging as major global problems. Is it possible for us to work out countermeasures against those issues using nanotechnology?

2019年10月21日(月)実施

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