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[理工学部、建築・環境学部教養学会第35回ミニ講演会](理科系学生のための公開英語講演会)Introducing Zambian Mathematics Education: Welcome to the New World!(ザンビアの数学教育について)

           理工学部、建築・環境学部教養学会ミニ講演会(理科系学生のための英語講演会)
          Introducing Zambian Mathematics Education: Welcome to the New World!
                    (ザンビアの数学教育について)

                                        講師:建築・環境学部 中和 渚


 11月14日に本学建築・環境学部専任講師で教育学博士、中和渚氏を講師として、一昨年、昨年に続き3回目の英語講演会を開催した。これまでの会において講師は、数学教育の研究者、あるいは日本国際協力機構(JICA)より派遣される青年海外協力隊の一員としての様々な開発途上国家での自身の経験や、エイズの蔓延、貧困、国家の一産業への偏り、特定の大国への経済依存など広くアフリカにおける社会的問題に触れたが、今回は以下の2点のテーマに話題を絞り、上記のテーマによるより詳細な説明を行った:1)ザンビアにおける数学教育の問題点、2)研究、教育におけるコミュニケーションの手段としての英語の重要性。以下はその具体的項目である。
 (1)数学教育に関する様々な問題:①教室の数が不足している現状から初等教育と中等教育が時間の調整を行いながら同じ教室をローテーション方式で共有して授業を進めなければならない;②生徒に公式を教えるが教育方針が理論に偏しているので、理解を助ける説明に欠ける;③時に教員が間違った計算を行う;④「かけ算九九」に対応するものがなく、足し算の繰り返しでかけ算を行う;⑤学費無償の公立小学校制度にもかかわらず、PTA会費の支払いや制服購入費の負担がザンビアの一般家庭には重く、就学率は劇的に改善されたものの、退学率と留年率が3-5%となっており、課題である。


 (2)研究、教育におけるコミュニケーションの手段としての英語の重要性:①トンガ語、ベンバ語、ニャンジャ語などのバントゥー語族に属する多くの言語がザンビアでは話されるが、これらの異なった現地語の話者間の意思の疎通は困難であるので、授業は英語で行わなければならず、生徒にとって英語は極めて重要な学習ツールである(半面、多くの数学用語を英語で記憶しなければならないなど英語により数学を学習することは容易ではない。);②ザンビアには固有の英語があり標準的な英語の語法から逸脱した語法使用が見られ、世界にはそのような英語は多くあるように思われる;③共通言語としての英語使用者となることにより、様々な英語を持ち寄って相互に理解を補う国際社会を教育の現場で実感できる;④キャリア形成における英語の果たす役割は極めて大きく、広い交流、広い研究分野へと導いてくれる。
 これまでの講師の講演会においては主に英語のみにて説明が行われたが、今回においては聴講者の興味を維持するために随所に必要に応じて日本語の説明を織り交ぜ、ザンビアの中学校・高等学校の数学教科書の閲覧、アフリカの民族衣装の紹介とその教材化についての説明も行いながら、多くの学生にとっては初めての経験である一講時にわたる英語講演会での興味の持続が図られた。(更なる講演の詳細は2020年3月発行の紀要「科学/人間」に譲る。)
最後に以下のような質疑(一部)が行われた。

Q & A
Q. What is the reason Japan is giving assistance to African countries?
なぜ日本はアフリカを援助するのですか?
Q. I learned from my text that JOVCs are dispatched to many developing countries like Zambia. My question is how are the countries selected? Is it any developing countries that JOCVs are dispatched? Or are there any rules by which those countries are chosen?
アフリカ諸国以外に青年海外協力隊を割り当てられている他の国はどこですか? すべての発展途上国が該当しますか。それとも何か国を選ぶ基準はありますか?

                                  2019年11月14日(木)実施

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