受賞テーマ:サステナブルプロセスとマテリアルによるPFAS問題への挑戦
Challenges to PFAS Issues through Sustainable Processes and Materials
(関東学院大学)景 暁峰・濱上寿一
2025年11月15日(土)、東京工科大学八王子キャンパスで開催された「第7回サステイナブル工学研究会」において、本学大学院 工学研究科 物質生命科学専攻 M2 の景 曉峰さん(中国・南京師範大学出身)が優秀ポスター発表賞を受賞しました。景さんが所属する濱上寿一研究室では、サステナブルマテリアルとして注目されるゼオライトの高機能化に着目し、安価で安全なゼオライト・クエン酸・蒸留水のみを用いた室温・完全水系のサステナブルプロセスにより、透明な“新規ゼオライト由来ゾル”の合成に成功しています。ゼオライトは、地殻に最も多く存在する元素(クラーク数1位:酸素、2位:ケイ素、3位:アルミニウム)を主成分とし、資源的にも非常に豊富です。その多孔質構造は2025年ノーベル化学賞の受賞対象となったMOF(金属有機構造体)と深く関連しており、機能性材料として高い将来性を有します。本研究では、PFAS汚染を模擬するためにPFASモデル色素物質を用い、太陽光照射下での光分解性能を評価しました。水道水・河川水・海水といった実環境に近い条件でも高い分解効率を示し、次世代型水処理ナノ材料として高い評価を受けました。さらに、本発表は全て英語で実施され、国際性と研究発信力の高さも審査員から高く評価されました。応用化学コース/物質工学専攻では、中国をはじめ海外からの学部/大学院進学者を広く受け入れており、ナノマテリアルズサイエンスの最先端研究を国際的環境の中で学ぶことができます。景さんは2026年4月から博士後期課程への進学を予定しており、今後さらなる研究の進展が期待されます。