2017年4月21日～5月10日の3回にわたって，応用化学セミナーにおいて，技術者倫理の講義が行われました。応用化学セミナーは，本学における社会人基礎力養成に関する科目です。技術者倫理の講師として上西勝三先生(元沖電気工業(株)半導体技術研究所所長)をお招きし，「技術者倫理を学ぶ意義」，「日本における技術者倫理の軌跡」，「国内外での最新技術者倫理」について講義を行っていただきました。
上西先生は，現代社会に密接な関連技術であるミリ波電子管，シリコン高周波トランジスタ，GaAs集積回路，プラズマディスプレイなどの研究開発に従事してきた経歴をお持ちです。技術が高度化した現在は，分業・分担が加速し，多くの人によるチームが組まれ1つの仕事を行います。ここで大事なことは個々の倫理観です。これからの社会を築き上げていく学生達が高い倫理観を持つ必要があり，また専門家を育成する高等教育機関である大学では，倫理教育を行うことが求められています。本講義では，武士道(新渡戸稲造著)の道徳と人倫を紹介した後，専門家が職業倫理の必要性を見出すまでの歴史を学びました。また，上西先生自身の経験による具体的な内容による技術者倫理の必要性を講演していただきました。最後に，国内外の会社の倫理規定について学びました。
本講義を通して，高い倫理感を持った技術者・研究者になる意識を持った学生が増えるのではないかと感じています。
講師：上西勝三 (工学博士)
受賞：東京都科学技術功労賞受賞(1994年)
代表著作物：集積回路工学 日本理工学出版会
