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表面工学コース

研究紹介



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ファインバブルの表面工学への応用/環境配慮型めっき技術の開発

田代 雄彦 研究室


 

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新しいめっき技術を研究しよう

小岩 一郎 研究室


 






■ ファインバブルの表面工学への応用/環境配慮型めっき技術の開発

田代 雄彦 研究室

 

 最近、女性の顔のマジックが瞬時に落ちるCMが話題になりました。これはシャワーヘッドから出る水に種があり、ファインバブル(FB)という超細かい泡を含んだ水の効果です。FBとは、全周囲を液体で囲まれた気球体で、その直径(真球に換算した直径)が100 µm(マイクロメートル)未満の気泡です。1 µmは1/1000 mmです。ファインバブルのうち、直径が1 µm未満の泡をウルトラファインバブル(UFB)、1 µm以上の泡をマイクロバブル(MB)と呼びます。
 

 このFBは未だ未だ分からない事が多いのですが、産業への普及は実に幅広いです。例えば、工場の排水処理、野菜やトイレやシリコンウエハなどの洗浄、農作物や漁業における成長促進、池などの水の浄化など多岐に渡ります。また、泡の気体の種類によっても効果は異なるので無限の可能性を秘めています。 
 

 
 
図2.PIフィルム表面のSPM像 
左:未処理 右:UFB低濃度オゾン水処理後
 

 FBの工業的な利用は、主に洗浄や清浄化でしたが、われわれはプラスチックスへのめっきに最重要なエッチング処理(表面粗化)にUFBとオゾンを融合させた新規のエッチング法を考案しました。現状使用されているエッチング液には有害物質の六価クロムを含みますが、環境にやさしい処理としてUFB低濃度オゾン水処理を提案しています。 
 
図1は現在使用しているUFB低濃度オゾン水処理システムです。この処理槽にスマホやコピー機などに使用されているポリイミドフィルム(PI)を5分間浸漬すると図2のような多数の針状物が発現します。これはバブルの弾ける時のミルククラウン現象によるものと考えています。また、身の周りで使用されているABS樹脂に現行法とUFB低濃度オゾン水処理でエッチングした表面のFE-SEM像を図3に示します。著しく表面の平滑なUFB低濃度オゾン水処理は、現行法と同等の密着性が得られる特殊な処理です。この他にも様々なFB技術を表面工学へ応用した研究を進めています。 
 

 
 
図3.ABS樹脂表面のFE-SEM像 
左:クロム酸エッチング(現行法) 右:UFB低濃度オゾン水処理
 

 あなたも一緒にファインバブルで環境に配慮したイノベーションを生み出しましょう! 
*JST研究成果展開事業 大学発新産業プログラム社会還元加速プログラム(SCORE)大学推進型 拠点都市整備計画で南三陸の牡蠣のブランディングにもUFB技術を導入しトライしています。 
 




 




 




■ 新しいめっき技術を研究しよう

小岩 一郎 研究室

 

 新しいめっき技術を研究しています。例えば、通常の水系のめっきではなく、有機溶媒やイオン液体を利用して、水系では作製できないアルミニウムなどのめっきを研究しています。図1には、有機溶媒を用いてアルミニウム膜を形成した例を示しました。学内のチャペルを写し込んでいますが、アルミニウムだけの物よりも、ニオビウム(Nb)を微量添加して析出電位を適切に設定すると形成されるアルミニウム膜は鏡面になっていることが分かります。
 

 
 
図1 AI-Nbめっきの外観写真(反射比較)[0.4mol%.-2.5V.-2.6V.-2.7V.-2.8V.-2.9V].
 
 

 

 また5G以降のプリント配線板には、平滑な基板の上に微細なパターンを形成する必要がありますが、図2には、液晶ポリマー基板の上にパターンを紫外線照射して、照射したところのみにめっきを行っています。かなりのファインパターンになっています。図3には、その拡大図を示しています。微細パターンが形成されていることが確認できます。膜と基板の密着力も十分なものが得られています。
 





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