教育・研究環境

応用化学コース

研究紹介



a1

安全・安心な水素社会実現に向けて~材料の色の変化で水素の漏れを室温検知~

濵上 寿一 研究室

 




■ 安全・安心な水素社会実現に向けて
~材料の色の変化で水素の漏れを室温検知~

濵上 寿一 研究室

 
 日本の持続的な経済および社会の発展を目指し、2014年4月のエネルギー基本計画に「水素」が組み込まれました。化石燃料資源の枯渇問題および二酸化炭素排出に伴う地球温暖化問題を解決するため、次世代の究極なクリーンエネルギー源として水素は注目されています。最近、水素を燃料に用いた燃料電池車(FCV)が世界に先駆けて日本国内で販売が開始されました。今後の日本社会では、水素の製造、貯蔵、輸送、利活用(燃料電池や水素発電)など水素に関連した科学技術の大きな進展が期待されます。

 一方、水素は2011年3月に福島第1原子力発電所で発生した水素爆発事故が強烈な印象として日本国民の脳裏に焼き付いていることと思います。そのため、安全・安心な水素社会の実現が強く望まれるところです。水素の安全性と信頼性を確保する一つの手段として、水素の漏れを迅速かつ安全に検知するための水素センサの研究開発が挙げられます。これまでに実用化されている水素センサは、水素の漏れをセンサ材料の電気的特性(電気抵抗など)の変化として捕らえることを原理としている半導体方式(作動温度は250C以上)が主流となっています。それに対し、水素の漏れをセンサ材料の光学的特性(透過光強度または反射光強度)の変化として捕らえることを原理とするオプティカル水素センサに関する研究を我々は行っています。適切な触媒金属を用いることで、室温においても水素の漏れを検出することができます。

a1
図1. 環境にやさしいプロセスを用いた触媒金属ナノ粒子担持チタニア薄膜の作製法の概略

a2
図2. 環境にやさしいプロセスを用いて作製したパラジウム金属担持チタニア薄膜の水素検知特性
測定条件:室温、波長=640 nm(赤色レーザダイオードの波長に相当)、純水素

 我々の研究室では、地球環境にやさしいプロセス(図1)を用いて低コストな革新的オプティカル水素センサ(図2)を研究開発することで、安全・安心な水素社会の実現に貢献するとともに、地球温暖化の抑止に資することを目的とし、学生とともに日々研究を進めています。

PAGE TOP
〒236-8501 横浜市金沢区六浦東1-50-1
Copyright(c) Kanto Gakuin University All rights reserved.