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[5/17(木)開催] 教養学会ミニ講演会(英語)

2018年度第1回の教養学会ミニ講演会(英語)を開催します。詳細は以下の通りです。

【理系トピック公開英語講演会】Pavlov’s Dogs(パブロフの犬)
講師:北村 美一郎 先生
(理工学部、建築・環境学部教養学会ミニ講演会)

・実施日時: 5月17日(木)、3講時(開始15 分は準備)
・場所:F-203(変更)


Q1. パブロフがイヌの実験で発見したことは何?
Q2.
「古典的条件づけ」って食べ物のことだけ?
Q3. ほかの動物も学習する?

ロシアの生理学者アイバン・パヴロフはイヌの消化の研究をしている時に、餌を与えるために助手が部屋に入ってくるたびにイヌが唾液を垂らすことに気付きました。彼は実験を推し進めて、イヌに餌を与える時に同時にベルの音を聞かせました。これを繰り返して行うと、イヌはやがて餌が与えられない時でも、ベルの音を聞いただけで唾液を垂らすようになりまし

イヌの実験では、食物に対する記憶の度合いは、唾液の量を測ることによって数値化されましたが、マウスの実験では、空間的な記憶も数値化されます。空間的な記憶とは、被験者であるマウスのおかれた環境と方角に関する記憶です。白く濁った水をたたえたプールの中にマウスを放して泳がせます。プールの中にはマウスが乗れる台がありますが、濁って見えません。プールの周囲に色のついた模様などをつけて、マウスが水中の台の場所を探す手がかりを与えます。トレーニングを受けていないマウスは、台を探しあてるまでに長い時間がかかりますが、訓練の進んだマウスはあまり時間をかけずに、水中の台にたどり着くことができます。つまり、マウスは「環境」を手掛かりとして「方角」を探し当てることが出来るようになります。

行動心理学の基礎となった「パブロフの条件づけ」は、現在の研究にも引き継がれ、遺伝子やタンパク質といった分子レベルでの記憶のメカニズム解明の域に至っています。北村先生は更に小さな動物への研究の適用例として、「コオロギの縄張り争い」、「ミミズの光、振動への反応」など、ご自身の実験の例もご紹介され、パブロフの条件付け(古典的条件づけ)がとても普遍性の高い学習の原理であることを紹介されます。

「古典的条件づけ」の研究が神経科学の分野において、どのように解明されてきたのかという点に関しては、Eric Kandel(2000年ノーベル生理学・医学賞受賞神経学者(1929~))のアメフラシの研究を紹介されます。

記憶のメカニズムを解明する際の重要な観点である「短期記憶」と「長期記憶」の区別という観点からは、米国人記憶障害患者Henry Gustave Molaison氏の事例にも言及されるでしょう。

(使用言語:英語、日本語)

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