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[応用化学] 応用化学セミナー;耳の聞こえない科学技術者が苦労してきた技術習得の体験と社会での活躍

 2018年6月28日(木),応用化学セミナーの講師は,横浜市聴覚者協会理事長の井上良貞先生(元株式会社東京ワイヤー製作所)です。井上先生は,38年前に関東学院大学工学部工業化学科をご卒業された受講生にとっての大先輩です。また,関東学院大学で初めての聴覚障碍者として入学されました。当時,大学入学にあたり複数の大学に相談したそうですが,聴覚障碍を理由に入学を断られたそうです。現在においても,関東学院大学のキリスト教に基づく建学の精神“人になれ 奉仕せよ”に感謝していると話されました。現在は,国からの補助もあり,大学の授業に対して手話通訳やノートテイカー制度を利用できます。
 講演は,井上先生の失聴のお話から始まり,ろう学校でのコミュニケーション方法の学び方を教えていただきました。また,大学時代の文系や理系科目に関する苦労や楽しかったことを振り返り,大学時代にできる友人の大切さをお話しされました。㈱東京ワイヤー製作所に入社され,配属先は技術部技術科で化学エンジニアとして技術開発に携わり,技術部検査課長を務めました。また,様々な業務につかれ,会議での身振りや普段何気なく使っている手話(手振り)で意思疎通ができることを教えていただきました。また,ご自身の社会人生活を通して,①専門性②見識(先見力,創造力,指導力,把握力,分析力,洞察力,判断力,対応力等)③経験の積み重ね,が大事だと講演なされ,若い学生には多様性を理解し,様々な経験を積み重ねてほしいとまとめられました。最後に,「ありがとう」「おつかれさま」「さよなら」や拍手の手話を教えていただき,井上様の講演に感謝して受講者全員で手話の拍手をして終わりました。手話通訳の齋藤さまにも感謝申し上げます。


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