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第25回理工学部、建築・環境学部教養学会ミニ講演会 (理科系学生のための英語講演会)Brain and Drug Addiction: Brain Can Modulate Reward System(脳と薬物依存)

         第25回理工学部、建築・環境学部教養学会ミニ講演会(理科系学生のための英語講演会)
                      Brain and Drug Addiction:
                    Brain Can Modulate Reward System
                         「脳と薬物依存」

                             講師: 理工学部理工学科、健康・スポーツ計測コース
                                              簑 弘幸


 2018年11月22日に理工学部理工学科、電気・電子コースの簑弘幸氏による、標記タイトルによる3回目の英語講演会を開催した。講師は違法な薬物がそれを摂取する人の脳内でどのように作用するのかという点を画像を用いて示し、薬物の濫用が人体に及ぼす破壊的な影響を聴講者に説明した。今回の講演会では特に、異なる種類の薬物が異なったやり方で、脳内の正常な情報の伝達を阻害するという点が詳しく説明された。
 脳は、異なった役割を担ういくつかの領域から成るが、特に腹側被蓋野ventral tegmental area から側坐核nucleus accumbensに至る報酬経路と呼ばれる領域では、快感や幸福感が司られる。また、脳の各々の領域は神経細胞(ニューロン)からなる。
 ニューロンはsoma, dendrite, axonとからなり、dendriteが電気信号である情報を受け取り、somaは情報処理を行い、axonが活動電位を次のニューロンへ送る。ニューロンからニューロンまでの突起部はneural pathwayと呼ばれる。Neural pathway において活動電位はaxonの端末まで移動し、axonの端末は隣接するニューロンのdendriteと関係を結ぶが、その関係は電気的には遮断されており、synapseと呼ばれる間隙が両者のニューロンの間に介在する。ここでは電気信号の代わりに化学物質である神経伝達物質が前シナプスのaxon端末と後シナプスのdendriteとの間の情報の受け渡しのために介在する (chemical synaptic transmission)。
 活動電位が前シナプスのaxon端末に到着すると、それは神経伝達物質であるドーパミンを内包するシナプス小胞の分泌を引き起こし、ドーパミンがシナプス間隙に放出される。ドーパミンは後ニューロンの特定のタンパク質である受容体に結合することが出来る。これにより、後ニューロンのdendriteがシナプス電流を発生させる。報酬経路である腹側被蓋野ventral tegmental area から側坐核nucleus accumbensに至る経路、さらに前頭前野皮質prefrontal cortexに至る経路に起こるsynaptic transmissionが快感の情報を伝達し、人に満足感や快感を感じさせる。
 このような正常な快感の創出は、違法薬物が摂取されることにより妨げられ、異常な情報が報酬経路の中で伝えられてしまう。通常、常に抑制を司る前シナプスのニューロンは活性化しているので興奮を司る前シナプスのニューロンは常に抑制されているが、マリファナを摂取するとTHCの濃度が上がる結果として、それが抑制を司る前シナプスの受容体に結合してしまう。結果として、腹側被蓋野VTAの活動が促進されて活動電位が高まりドーパミンの分泌が促される。また側坐核の活動も高められ、異常な快感が継続してしまうことになる。
 通常、腹側被蓋野VTAのニューロンの端末からシナプス間隙に放出されるドーパミンは側坐核nucleus accumbensのニューロンの端末の受容体に結合し、情報を伝えたのちに、再び腹側被蓋野VTAのニューロンの端末へリサイクルのためにとりこまれるが、コカインはその取込みポンプに結合してしまうために、放出されたドーパミンが再び腹側被蓋野VTAのニューロンの端末へ取り込まれることを妨害する。これによりドーパミンがシナプス間隙に滞留してしまい、快感が異常に創出されてしまう。
 違法薬物の反復的使用を行うと、報酬的感覚を得るためにはそれに頼らなければならなくなり(tolerance)、正常な刺激による報酬の快感を得ることが出来なくなる。その結果、摂取者はそれらの薬物に対する依存を起こし、精神を蝕まれる。
Q&Aセッションでは聴講者よりの以下の質問が英語でされ、講師により回答された。


(from the website of National Institute on Drug Abuse)

Q. What kind of message is exchanged between neurons? Could you show us some examples?
Q. What do you think about recreational marijuana having been legalized in Canada?
Q. About how many abusive drugs are there in the world?
Q. I understood that drugs adversely affect the brain by deceiving nerve cells. So, I think that by reversing the use of drugs and deceiving the brains of patients with intellectual impairment or dementia, we could make them live a normal life as if their brains were replaced with those in normal condition. Am I on the right track in thinking this way?
Q. What are the differences between illegal drugs and legal substances such as alcohol or nicotine?
Q. What do you think is the difference in the way of thinking between the countries which ban the use of dangerous drugs and those which don’t.
Q. Are there any individual differences in drug resistance?
Q. Why do the brain and the nerves decline as we age?
Q. Contrary to drugs that do harm to our brains, is there a drug which could raise our concentration or adjust the problems in our brains without causing addiction?
Q. Is it possible to get euphoria like the one from marijuana by doing physical exercise?

(本発表においては米国、National Institute on Drug Abuse (NIDA)の子供向け薬物理解のためのプログラムで使用されるスライドを講演会プレゼン用PPT作成に活用させていただきました。ここに謝辞を申し述べます。)

                                          2018年11月22日(月)実施

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