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[理工学部、建築・環境学部教養学会ミニ講演会] (第40回理科系学生のための公開英語講演会)Capillary Pumped Loop: Expertise for Heat Transfer『キャピラリーポンプループ』

        [理工学部、建築・環境学部教養学会ミニ講演会(第40回理科系学生のための英語講演会)]        
               Capillary Pumped Loop: Expertise for Heat Transfer               
                      『キャピラリーポンプループ』                     

                                 科目担当講師:理工学部理工学科 先進機械コース
                                        辻森 淳


              
 理工学部、建築・環境学部教養学会では2021年5月24日(月)に、理工学部理工学科 先進機械コース所属の辻森淳氏を講師として、主に英語による講演会を実施した。本講演会は同名のタイトルによる4回目の講演となった。
 辻森氏は人工衛星に搭載される熱移送システムの研究に従事し、特に毛細管現象に基づく熱移動装置であるキャピラリーポンプループの開発に携わってきた。動力の限定された人工衛星内において機器の発生する熱がどのように管理されているのかをJAXAの開発による技術試験衛星「きく8号」(ETS-VIII)に装備されたキャピラリーポンプループの開発の例をあげて紹介した。
 講演は宇宙開発の近年の動向から始まり、毛細管現象の原理的な説明、それに基づいて開発されたシステムの優れた点、問題点という内容で進み、講演後は機械工学や土木工学を専攻する聴講者より多くの質問が行われ、すべての質問に講師より回答が行われた。

下記は質問の一部である。本講義の詳細は教養学会紀要「科学/人間」に掲載予定。

Q. I think that the working fluid for the heat pipe must be volatile. What are other conditions, if any, for being a working fluid of the heat pipe?
A. A working fluid with enough high surface tension and latent heat is desirable for heat pipes. The boiling point must be around minus 70 degrees Celsius for space use.

Q. What is the life of the heat pipe: For how many years does it last?
A. A heat pipe is usable semi-permanently, because there are no moving parts in it.

Q. 宇宙線には4セットのキャピラリーポンプループが装備されていると学んだが、すべてが壊れた場合、宇宙ゴミとして放置されるのか?
A. 「きく8号」は技術試験衛星であり、キャピラリーポンプループも試験的に機能を確かめている段階であるが、極めて高価な本格的な商業衛星においてキャピラリーポンプループが故障した場合は再度、次の衛星を打ち上げるか、修理に行くしか方法はない。極めて大切な衛星であるならば修理に行くが、普通の衛星であるならば、新たな衛星を打ち上げて、壊れた衛星は放置しておくことになると思われる。

                                       2021年5月24日(月)開催

          

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