キャンパスライフ

ミニ講演会「脳と薬物依存」-共通科目-

イベント

 

理工学部/建築・環境学部教養学会では、2015年6月4日に理科系学生のための英語の講演会「脳と薬物依存」(講師:理工学部電気学系(電気・電子コース/健康・スポーツ計測コース) 簑 弘幸先生)を開催しました。

簑 弘幸先生は、私たちの生活に必要な「快感」の感覚が、脳の中の快感回路(報酬系)という領域においてつくりだされる情報であることを説明しました。脳の一領域であるventral tegmental area (VTA) (腹側被蓋野:ふくそくひがいや)という領域から電気的な情報として送られた情報は、nucleus accumbens (側坐核:そくざかく)という領域において神経伝達物質ドーパミンの分泌という化学的なスイッチの働きによって快感として確立されること、またドーパミンは、次の分泌の際に再利用出来るようにリサイクルされることなどの説明です。

正常な快感の創出は生命の維持に必要ですが、異常な快感の創出は健康を阻害し生命の危機をもたらします。簔先生は薬物を摂取するとなぜ正常な快感が拡大されて継続してしまうのかという点を、神経伝達物質ドーパミンの分泌が具体的にどのように働いてスイッチの役割を果たすのか、そしてその正常な再利用の過程に薬物がどのように干渉するのかという点を示しながら、説明していました。

また人間の体内には生来、マリファナ活性成分が内在しているという事実を紹介され、マリファナを摂取することによってその濃度が高められ、脳の報酬系が特に影響を受けるという点や、たばこが薬物として他の薬物と変わらない性質をもつ点などにも触れました。

最後にQ&Aセッションでは、以下のような聴講者からの質問に対する回答がありました。

1. Is there a therapeutic drug for drug intoxication?
2. Does dopamine have exactly the same function both on mice and on humans?
3. Can Pleasure Circuit be totally different in other organisms?
4. We learned that we all have drugs in our brains by nature. My question is how our brains are protected from those drugs.
5. I would think that the phenomenon of drug addiction is a subject of research both in biochemistry and in electrical and electronic engineering. If so, what would be major outstanding differences of approach, if any, between each field?

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