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第20回理工学部、建築・環境学部教養学会主催「理系学生のための英語ミニ講演会」(公開)English Lecture Meetings for Science-Major Students

            理工学部、建築・環境学部教養学会ミニ講演会(理科系学生のための英語講演会)
                      War of Currents(電流戦争):
                  DC vs AC; Edison vs. Tesla; GE vs. WEC 

                                 講師: 理工学部理工学科、電気・電子コース
                                           植原 弘明 先生


 同名のタイトルにて4回目となる本年度の英語講演会では、第一部にて英語の講演が行われ、第二部にて英語による質疑応答の時間が設けられ、最後に講演内容の日本語による総括が行われるという形で実施された。講師ご担当の植原先生には、聴講者より寄せられた17の個々の質問に対してパワーポイントの画面を用いて回答していただいた。その結果、講演本体の時間以上に質問とそれへの回答に時間が費やされることとなった。

(第一部)
 直流電流(DC)と交流電流(AC)の違いが、視覚的に区別され、トマス・エディソンが送電電流として直流を推進したのに対し、ニコラ・テスラとジョージ・ウェスティングハウスが交流を推進したことに起因して1880年代に始まった両者の敵対関係である所謂、電流戦争について紹介が行われ、直流電流(DC)と交流電流(AC)の各々の特性、長所・短所が説明された。日本において二つの異なった交流電流の周波数が用いられている歴史的経緯、ヨーロッパにおいては早い時期から直流送電が発達し、特に長距離の高電圧直流電流送電(HVDC)の送電網が非常に発達していることが紹介された。エディソンのDC配電システムと現在の(電池装置、携帯電話、燃料電池、太陽電池、LED,電気自動車、電車などの)DC製品の例が紹介された。次に、セルビア系アメリカ人であるニコラ・テスラの設計した近代的な交流電気供給システムが紹介され、冷蔵庫、掃除機、食器洗い機、ラジオの信号、車や新幹線のモーターなどのAC製品の例が挙げられた。電流戦争においては、テスラの交流電流陣営がエディソンの直流電流陣営に勝ったが、近年では直流電流送電システムが大いに見直されていることが説明された。

(第二部)
 以下は当日の聴講者よりの質問の一部である。

Q.How is the standard voltage for household electric appliances determined? For example, why is it set at 100 volts in Japan?
 なぜ日本の一般的な電圧は100Vなのか。

Q.Is there any place where HVDC transmission system is currently used in Japan? If there is, hopefully, I would also like to know the reasons why it is adopted in that place.
 現在日本でHVDCが使われているところはありますか? もしあれば、その場所で採用されている理由を知りたいです。

Q.Let’s suppose that, as technology advances in the future, we could charge the mobile phone without wire. Then, I would like to know what the problems and the benefits of such devices would be.
 今後さらに技術が進歩して、もしワイヤレスでケータイが充電できるようになったとした場合の、そのような装置の問題点や長所を知りたいです。

Q.Why does the flow of charge periodically change for the alternating current, and why is it kept in one direction for the direct current?
 なぜ交流電流においては電荷の流れが定期的に方向を変えるのに対して、直流電流では電荷の流れが一方向にのみなのか?


 最後に講師は、現在では世界的に直流送電システムが大きく見直されており、依然として交流電流送電に依存する我が国は、世界のスタンダードからは、かけ離れた特殊な状態にあるということを認識すべきであるという意見を述べられ講演を総括した。

                                        (2018年7月19日開催)

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